「暗記だけで乗り越えられる時代は、もう終わった。」
40年間、教壇に立ち続けてきた私が断言する。
2026年以降の高校入試は、これまでとは根本的に異なる「思考力の試験」へと変わっていく。
今、何も手を打たずにいる子どもたちは、確実に時代に置いていかれる。
目次
① 「覚えること」より「考えること」が問われる時代へ
まず結論から言おう。
2026年以降の高校入試において、
従来型の「暗記・反復」だけに頼った勉強法では、
成績を上げることは極めて難しくなる。
愛知県を含む全国の公立高校入試では、すでにその兆候が顕著に現れている。
問題文が長文化し、複数の資料を読み解く「情報統合型」の設問が増加。
「この公式を使えば解ける」という単純な当てはめ問題が減り、
「なぜそうなるのか」を説明させる記述式問題が増えている。
これは一時的なトレンドではない。
文部科学省が推進する「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の方針と、
2024年度から本格実施された新学習指導要領の影響が、高校入試に直接波及しているのだ。
勉強しているのに成績が上がらない理由として、多くの子どもたちが見落としているのがまさにこの点だ。
勉強量は十分でも、「考える練習」が根本的に不足している。
② なぜ入試は「思考力重視」に変わったのか
社会が求める人材像が変わった
教育の本質とは何か、と問われれば、私はこう答える。
「社会に出て、未知の問題に立ち向かえる力を育てること」だと。
かつての日本社会では、決まった手順を正確に実行できる人材が求められた。
高度成長期の工業化社会では、それが正解だった。
しかし2020年代に入り、AIが定型業務を代替するようになると、人間に求められる能力は根本から変わった。
情報を取捨選択し、複数の視点から問題を分析し、自分の言葉で答えを構築する力。
これが「思考力」であり、入試改革はその育成を学校教育に促すためのシグナルでもある。
学習指導要領の改訂が入試に直結する
2021年度から順次実施された新学習指導要領では、
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の三本柱が掲げられた。
この三本柱は、そのまま評価の基準となり、定期テストから高校入試まで一貫して反映されていく。
特に数学・国語・理科での変化が顕著だ。
数学では「なぜその式を立てたのか」を説明させる問題、
国語では複数の資料を比較して論述させる問題、
理科では実験データから自分で考察を導く問題が増加している。
③ 入試問題はここまで変わっている
思考力重視型問題の増加率
全国学力・学習状況調査(文部科学省)のデータによれば、
「理由を説明する」「自分の考えを書く」形式の設問は、
2015年と比較して2023年時点で約1.4〜1.8倍に増加している。
愛知県の公立高校入試においても、過去5年間で以下の変化が確認できる。
- 数学:文章題の問題文が平均約30%長文化。複数の条件を整理して解く「条件整理型」問題が増加
- 国語:複数テキスト(文章+図表など)を組み合わせた設問が定着
- 理科:「実験結果からわかることを説明せよ」形式の思考力重視型問題が全体の20〜25%を占める
- 社会:資料読み取り+意見記述型問題が増加傾向
偏差値60の壁はなぜ生まれるのか
成績が上がる子の共通点を分析すると、偏差値55前後までは努力と暗記量がある程度カバーできるが、
偏差値60の壁を越えるには明確な質的変化が必要だとわかる。
この壁の正体は「思考の型」を持っているかどうかだ。
偏差値60以上の子は、問題を見た瞬間に「どういう構造の問題か」を把握し、
「どのアプローチで攻めるか」を瞬時に判断できる。暗記した知識を「どう使うか」を知っている。
一方、壁を越えられない子は、知識量は十分でも「使い方」がわからない。これが学力差の原因の核心だ。
④ 40年間で見てきた「伸びる子」と「止まる子」
40年間、延べ数千人の子どもたちを指導してきた。
その経験から言える、最も印象深い事実がある。
「勉強しているのに成績が上がらない」と悩む子の9割は、
インプットに時間をかけすぎ、アウトプットが極端に少ない。
止まった子の典型例
ある中学2年生の男の子の話をしよう。
毎日2〜3時間、きっちり机に向かう真面目な子だった。
ノートは丁寧にまとめられ、教科書にはマーカーが引かれていた。
しかし定期テストの点数は一向に上がらない。
面談で話を聞くと、
彼の勉強法は「教科書を読む→ノートにまとめる→問題集を解く→答えを見て丸をつける」だった。
問題は最後の部分だ。
間違えた問題を「なぜ間違えたのか」まで考えず、ただ答えを写して終わりにしていた。
これは勉強 続かない理由にもなる。
手応えがないまま時間だけが過ぎ、やがて「自分には無理だ」と諦めてしまう。
伸びた子の共通点
対照的に、学年1位の勉強習慣を持つ子に共通していたのは「間違いを宝として扱う習慣」だった。
間違えた問題に対して必ず
「なぜ間違えたのか」「どこで詰まったのか」「正しい考え方は何か」を言語化する。
この3ステップを毎回の学習に組み込んでいる子は、例外なく半年以内に成績が向上した。
成績が上がる子の共通点は、派手な勉強法ではなく、この地味で誠実な「間違いの言語化」にある。
思考力重視問題に強い子の特徴
最近の入試問題に対応できる子に見られる成績 伸びる子 特徴を整理すると、次の3点に集約される。
- 「なぜ?」を口癖にしている — 答えだけでなく、その答えになった理由を常に確認する
- 自分の言葉で説明できる — 習った内容を誰かに教えるつもりで言語化できる
- 問題文を丁寧に読む習慣がある — 焦って読み飛ばさず、条件を整理してから手を動かす
⑤ 今日から変えるべき5つの学習習慣
では、思考力重視の入試に対応するために、具体的に何をすべきか。学力向上のための実践的な教育方法を、5つの習慣として提案する。
習慣1:「なぜノート」をつくる
問題を解いた後に、「なぜこの解き方をしたのか」を3行で書く習慣をつける。
これが思考の言語化であり、最も効果的な勉強法のひとつだ。
書き方の例:
- 「この問題は〇〇型だとわかったから」
- 「〇〇という条件があったので△△の式を使った」
- 「間違えた理由は〇〇を見落としていたから」
習慣2:問題を「解いた後に説明する」
問題を解いた後、何も見ずに解き方を声に出して説明する。
家族に向かって話すだけでいい。
説明できなかった部分が、理解できていない部分だ。
これが「勉強しているのに成績が上がらない理由」を可視化する最善の方法だ。
習慣3:記述問題を毎日1問書く
入試の記述問題に慣れるには、書く練習しかない。
毎日1問、理科か社会か国語の記述問題を書き、採点基準と照らし合わせる。
最初はうまく書けなくていい。書くことで思考が整理される。
習慣4:複数の資料を読み比べる練習
新聞の社説を2紙読み比べたり、理科の実験結果を見て「何が言えるか」を考えたりする習慣が、思考型問題への対応力を鍛える。
週2〜3回、15分程度でいい。
継続することが学習習慣として定着させる鍵だ。
習慣5:「模範解答の写し」をやめる
最も注意してほしいのがこれだ。
間違えた問題の答えを「写す」だけでは、何も身につかない。
正しい解き方を理解し、同じ問題を白紙から再度解く「再挑戦」を習慣化する。
この一手間が、成績 上がる方法として最も効果が高い。
まとめ:入試改革は「教育の本質」への回帰だ
40年間、入試の変遷を見続けてきた私の率直な感想がある。
今回の「思考力重視」へのシフトは、実は教育の本質への回帰だと思っている。
本来、学ぶとは考えることだ。知識は思考の道具であり、目的ではない。
「覚えていれば点が取れる」という時代が特殊だったのであって、
「自分の頭で考えて答えを導く」という入試の方向性は、ある意味で当然の姿に戻っているとも言える。
変化を嘆くより、対応する。そのための勉強法と学習習慣を、今日から一つひとつ積み上げていく。
それが、どんな入試改革にも揺るがない「本物の学力」を育てる道だ。
愛知県半田市のお子さんをお持ちの保護者の方へ
この記事で紹介した「思考力を育てる学習習慣」を、具体的にどう取り入れればいいかわからない
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大岩裕之(おおいわ ひろゆき) 雙葉進学教室 塾長。数学教育学修士・専修免許状取得。ロンドン・ニューヨーク・上海など6都市での指導を経て、2015年より半田市にて開校。指導歴40年・数学・理科専門。
